「胡蝶蘭を植え替えるのはどうして?」
「胡蝶蘭の植え替えは初心者でもできるの?」
「胡蝶蘭の植え替えした方がいいときの判断基準を知りたい…」
このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。
胡蝶蘭と長く付き合っていくなかで、植え替えについて知りたいと考える人は多いでしょう。大切にしている胡蝶蘭のお花を、毎年咲かせたいということであれば正しい植え替え方法を理解する必要があります。
この記事では、以下について解説していきます。
- 胡蝶蘭の植え替えに必要な道具
- 胡蝶蘭の植え替えで失敗しないための手順
- 胡蝶蘭を植え替えすべきかどうか判断する際のポイント
最後まで読んで頂くことで、胡蝶蘭の植え替えに関する疑問が解決し、お花をより長く楽しめるようになるはずですよ。
- 胡蝶蘭を植え替える理由が知りたい方
- 胡蝶蘭の植え替え方法を調べている方
- 胡蝶蘭に関心がある方
目次
胡蝶蘭を植え替える理由は株を健康に保つため
胡蝶蘭の植え替えを行う理由は、株を健康に保つためです。
正しい育て方をすれば、胡蝶蘭の寿命は50年以上持つと言われています。
ただし、古い植え込み材に胡蝶蘭の根を張らせておくままだと、腐食やカビの原因になり病気が発生するおそれがあるため注意が必要です。最悪の場合、枯れてしまうこともあるので、胡蝶蘭の元気がなくなる前に植え替えをするのが理想です。
胡蝶蘭の根の状態がよくなると株自体が健康になり、再びきれいなお花を咲かせてくれますよ。植え替えだけはもちろん、胡蝶蘭の育て方を正しく理解することでよりお花を長く楽しめます。
黒柴さん
胡蝶蘭の植え替えに必要な5つの道具
胡蝶蘭の植え替えをおこなう際には、以下の道具が必要です。
- 園芸用ハサミ
- ライター
- 鉢底ネット
- 鉢底石(発泡スチロール)
- ハイター・手袋
植え替え時に慌てないためにも、準備に必要な道具を確認してから作業に取りかかりましょう。病気の葉っぱや根腐れがあった場合は、菌の感染を防ぐためハイターや手袋などが必要になります。
黒柴さん
植え込み材と植木鉢は、以下の2種から選びます。
- 水苔と素焼鉢
- バークとプラスチック鉢
胡蝶蘭は一般的な大きさの株であれば、4〜5号鉢が適しています。
太い根が生えてくるので大きいサイズの鉢を選んでしまいがちですが、大きい鉢は根腐れの原因になるので、意外と小さなサイズで十分ですよ。
胡蝶蘭は水苔かバークで植え替える
胡蝶蘭の代表的な植え込み材は、水苔とバークチップ(以下バーク)の2種類があります。
どちらの植え込み材も胡蝶蘭の育成に適していますが、植え込みの環境には一長一短があり、どちらが優れているというわけではありません。
水苔とバーク、両方のメリットやデメリットを把握して使用するのが良いでしょう。
- 水苔で植え替える場合
- バークで植え替える場合
それぞれ解説していきます。
1. 水苔で植え替える場合
胡蝶蘭の植え替えを水苔でおこなう場合は、通気性のよい素焼鉢を使用します。
ここで注意したいのが、「素焼鉢」と「駄温鉢」の違いです。
素焼鉢とは、釉薬をかけず700~800度の高温で焼いた粘土を原料とした植木鉢です。一方で、駄温鉢は鉢の上部が濃い茶色になっている鉢で、通気性が良くないので胡蝶蘭には不向きです。
黒柴さん
水苔を使用して、素焼鉢で植え替える手順は以下の通りです。
- 水苔をあらかじめ湿らせておく
- 水苔を絞り、胡蝶蘭の根に巻きつける
- 鉢底に発泡スチロールを敷き詰める
- 鉢の口から2cm下まで、少し力を入れて押し込む
- 鉢との隙間に水苔を入れ込む
使用する水苔は、必ず新しいものを使用しましょう。なぜなら、一度使用した水苔は病気が移ってしまう可能性があるからです。
1. 水苔のメリット
胡蝶蘭の植え込み材を、水苔にする際のメリットは以下のとおりです。
- 水苔が柔らかく根を傷つけにくい
- 保水力と通気性が高い
- 花持ちがいい
胡蝶蘭ギフトでは、水苔が多く使われています。植え替えに迷ったら水苔が一般的だと覚えておきましょう。
2. 水苔のデメリット
胡蝶蘭の植え替え材として、メジャーどころの水苔でもデメリットはあります。
- 株の成長速度がゆっくり
- カビが発生しやすい
- バークより価格が高め
水苔は水分を保持してくれる反面、管理を間違えると根腐れしやすいので注意しましょう。
2. バークで植え替える場合
胡蝶蘭の植え替えをバークでおこなう場合は、湿度を保てるプラスチック鉢を使用します。
バークとは、松の樹脂を細かく砕いてチップにしたものです。もともと木に着生していた胡蝶蘭は、バークを使用してあげることで自然に近い状態になります。
黒柴さん
バークとプラスチック鉢を使用した植え替え手順は以下の通りです。
- 鉢底にバークを敷き詰める
- 縁から1cm下までバークを入れて植え込む
- 鉢との隙間にバークを入れ、株が動かないようにする
バークは土のように使えるので、慣れていない人でも安心ですよ。
1. バークのメリット
胡蝶蘭の植え込み材を、バークにする際のメリットは以下のとおりです。
- 胡蝶蘭の成長が早い
- お花が一度に咲き輪数も多くなる
- 鉢の重量が軽いので世話がしやすい
バークは通気性に優れている一方で、水はけが良すぎるので、プラスチックの鉢を利用して湿度を保てるようにするのがコツです。
2. バークのデメリット
通気性のよいバークとプラスチック鉢の組み合わせですが、デメリットもあります。
- プラスチック鉢は、内部が乾燥しているか見極めにくい
- ナメクジ などの害虫が発生しやすい
バークの水はけのよさを甘く見て、実は水切れしてしまっていたり、逆に水を与えすぎてしまっていたりすることもあるので注意が必要です。
胡蝶蘭の植え替えで失敗しないための手順5ステップ!
胡蝶蘭は見た目の可憐さから繊細な花と思われがちですが、実は丈夫で初心者でも植え替えは簡単です。
正しい方法で丁寧にお手入れすれば、胡蝶蘭の寿命は長く楽しめるでしょう。
胡蝶蘭の植え替えで、失敗しないための手順は以下の通りです。
- ハサミを消毒する
- 株を取り出す
- 不要な根を取り除く
- 底石(発泡スチロール)を詰める
- 植え込み材と共に株を植える
それぞれ詳しく解説していきます。
1. ハサミを消毒する
使用前の園芸用ハサミは、ライターの火で刃先をあぶり消毒をしておきます。
消毒を怠ると、切った枝や根から雑菌が入ったり病気になったりするおそれがあります。
また、作業前は手を洗い清潔にしておき、根腐れを触った手袋は必ず交換するようにしましょう。
2. 株を取り出す
古くなった鉢から、丁寧に株を取り出します。その際には消毒したハサミを使用し、花芽を切っておくといいでしょう。
早く花が咲いてほしいなら、根本から3番目にある節の2cmくらい上を切ります。
黄色く変色してしまった葉は取り除き、葉っぱを切った場合は傷口にハイターを塗ると毒性に侵されません。
鉢内が根でいっぱいになり取り出せない場合は、下から水を吸わせておくと取り出しやすくなります。
黒柴さん
3. 不要な根を取り除く
胡蝶蘭の株を取り出したら、古い根や植込み剤を取り除きます。
なるべく丁寧に、胡蝶蘭の根を傷つけないように注意しておこないましょう。
健康な根の色は、緑色やクリーム色をしていて弾力があります。一方で、スカスカしていたりぶよぶよしていたり、黒く変色している根は腐っているのでハサミで切り取ります。
作業中は、胡蝶蘭のデリケートな根を必要以上に触らないのがコツです。
4. 底石(発泡スチロール)を詰める
植え込む際に、鉢底に入れる底石として便利なアイテムは発泡スチロールです。
発泡スチロールは水分保持の効果が期待でき、適度に水はけをするので根腐れ対策に効果的です。
発泡スチロールを適度な大きさに砕いて、鉢底に敷いておくのをおすすめします。
黒柴さん
5. 植え込み材と共に株を植える
胡蝶蘭の植え込み材は、水苔とバークの主に2種類が使われます。
植え込み材が水苔の場合は素焼鉢で、バークの場合はプラスチック鉢に植え付けると株の環境がよくなります。
胡蝶蘭の植え替えが初めての方で選択に迷う場合は、通気性と高い保水力を合わせ持っている水苔で植えるのが良いでしょう。
胡蝶蘭の植え替え直後の育て方
胡蝶蘭を植え替えた後の育て方として、気をつけるべき点は以下の通りです。
- 水やりは2週間後にする
- 肥料は施さない
- 暖かい場所に放置する
順番に解説していきます。
1. 水やりは2週間後にする
胡蝶蘭を植え替えた直後はもちろん、2週間以内の水やりは控えましょう。
株の中の茎や根を切った部分から菌が発生し、病気になってしまう可能性があります。植え替え後から日にちを経て、植え替え材が完全に乾いたら水を根元に与えましょう。
胡蝶蘭の水やり頻度は、多くなりすぎないように注意が必要です。
2. 肥料は施さない
胡蝶蘭は肥料を必要としない植物であり、植え替え直後や冬の寒い時期も不要です。
弱った株に肥料を与えてしまうと、胡蝶蘭の根に刺激を与えることになりさらに弱ってしまいます。
胡蝶蘭の成長を促すため肥料を施したい場合は、暖かい5月に新しい根が出てきたことを確認してからにしましょう。
胡蝶蘭の様子をみながら、化成肥料の置き配もしくは洋ラン用の液体肥料を水で薄めて1週間に1回ほど(2ヶ月を目安)与えます。胡蝶蘭の肥料は、芽が元気に伸びてくるのを助ける役割として少量施す程度で十分です。
黒柴さん
3. 暖かい場所に放置する
胡蝶蘭の植え替え後は、暖かい置き場所でそっとしておいてあげましょう。
新しい環境に早く馴染んでもらうには、必要以上に触らずあたたかく見守ることが重要です。
適度な日当たりと風通しが心地よく、人が過ごしても気持ちのいい場所がおすすめです。
胡蝶蘭の植え替えに適切な時期は3〜6月
胡蝶蘭の植え替えに適切なタイミングは、花が咲き終わった3〜6月が目安です。
花が咲く前に胡蝶蘭の植え替えをおこなうと、環境の変化に体力を使ってしまい、花を咲かせる元気が残らない場合があります。
ただし、根腐れをしていたり病気になったりしている可能性があるなら、時期を待たずに植え替えをすべきです。花が終わった後の7〜9月など、なるべく寒い時期を避けて行うのが好ましいでしょう。
胡蝶蘭の植え替えは、室温が20度を保てる環境で行うのが安全といえます。
黒柴さん
胡蝶蘭を植え替えすべきかどうか判断する際の3つのポイント
胡蝶蘭を上手に育てていく過程では、植え替えをおこなうタイミングは必ず訪れます。
胡蝶蘭を植え替えすべきかどうか、判断する際の3つのポイントは以下の通りです。
- 3年以上植え替えしていない
- 鉢から根がはみ出ている
- 植え込み材にカビが発生している
1つずつ見ていきましょう。
1. 3年以上植え替えしていない
胡蝶蘭に適した植え替え頻度は、2〜3年に1回程度が目安です。
葉や根に異常がなく、3年以上問題なく育てられているとしても、植え込み材の劣化から起こる病気を予防する意味で植え替えます。
胡蝶蘭は環境がよくなると、さらに長期にわたってお花を咲かせてくれるはずですよ。
2. 鉢から根がはみ出ている
鉢から胡蝶蘭の根がはみ出している場合も、植え替えのタイミングです。
胡蝶蘭は根が成長し、株が大きくなりすぎることがあります。根を張って育つ胡蝶蘭は、鉢の中で新しい根が何本も出てくるため、鉢の外に根がはみ出すのが普通です。
不要な茎や根を整理して、株の大きさにあった4〜5号鉢に植え替えてあげましょう。
黒柴さん
3. 植え込み材にカビが発生している
植え込み材にカビが発生した場合も、胡蝶蘭の植え替えを行うタイミングと言えます。
胡蝶蘭の元気がなくなり弱ってきたら、植え替えをおこないます。
植え込み剤である水苔やバーグに、腐食やカビ臭さを感じる場合もあるでしょう。
胡蝶蘭の健康を保つためにも、植え替えをして根の様子を観察し環境を整えてあげてくださいね。
胡蝶蘭の植え替えに関するよくある質問
胡蝶蘭の植え替えにあたり、迷いやすいポイントを紹介します。
胡蝶蘭の植え替えは9月でも平気?
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胡蝶蘭の元気がない場合は、9月に植え替えても大丈夫です。寒暖差には気をつけ、20度の室温を保つことが重要です。
胡蝶蘭の葉のしわしわは回復する?
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胡蝶蘭の葉の異常は、植え替えの目安になります。シワがひどい場合や、変色がある場合の復活はむずかしいので、葉を切って株の健康維持に努めましょう。
もらった胡蝶蘭はポリポットに入ったままなのですが…
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胡蝶蘭の根が圧迫している場合は、翌年の4〜6月に植え替えをおこなうのが一般的です。ポリポットはビニール製で乾燥しにくいデメリットがあるため、根腐れを引き起こす前に鉢に移し環境を整えてあげましょう。
胡蝶蘭を土に植え替えても大丈夫?
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胡蝶蘭は、水分の多い土に埋めると根腐れを起こします。亜熱帯から熱帯にかけての熱帯雨林に自生する植物なので、性質に応じた水苔やバークなどで植えつけましょう。
胡蝶蘭はペットボトルで育てられる?
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胡蝶蘭はペットボトルを鉢代わりにしてバークを敷き詰めて植えたり、水栽培でおしゃれに飾ったりすることも可能です。ペットボトル栽培は、株の中の様子が見やすいので水やりがしやすいメリットがあります。
胡蝶蘭を植え替えて株を健康に保とう!
胡蝶蘭は寿命が長く50年以上も育てられる植物ですが、鉢の中の環境を整えるためには定期的な植え替えが必要です。
胡蝶蘭の植え替えを行う際は、水苔かパークを利用しましょう。また、胡蝶蘭の植え替え直後は水やりの頻度や置く場所に気を遣うのもポイントです。
植え替えの手順を正しく守れば、初心者でも簡単にできるのでぜひこの機会にチャレンジしてくださいね。