「胡蝶蘭の正しい水やり方法を知りたい」
「胡蝶蘭の霧吹きの仕方やタイミングは?」
「水のやりすぎで胡蝶蘭が根腐れしたかも…」
このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。
胡蝶蘭を育てる上で、重要なのが「水やり」です。胡蝶蘭が枯れる原因は、水のやりすぎによる根腐れが多く、正しい知識をもつことがお花を咲かせるコツといえるでしょう。
この記事では、以下について解説していきます。
- 胡蝶蘭の正しい水やり方法
- 胡蝶蘭の水やりにおける効果的な霧吹きの仕方
- 胡蝶蘭の水やりで注意すべきポイント
最後まで読んで頂くことで、胡蝶蘭の水やりに関する疑問が解決し、お花を長く楽しめるようになるずですよ。
- 胡蝶蘭の水やり方法を知りたい方
- 胡蝶蘭の水やりに関する注意点を調べている方
- 胡蝶蘭に関心がある方
目次
胡蝶蘭の正しい水やり方法
胡蝶蘭をできるだけ長く楽しむために、正しい水やりの方法や頻度を守りましょう。
手順は以下の通りです。
- 鉢の中の水苔やバークが完全に乾いてから
- 水の量は鉢の下から水が流れるくらいたっぷりと
- 受け皿に溜まった水はこまめに捨てる
また、お祝いなどでもらった胡蝶蘭に水やりをする際は、必ずラッピングを外してからおこないます。
ラッピングがついたままだと、受け皿に流れた水が溜まり通気性が悪くなります。ラッピングのまま飾りたい場合は、底部分に切り込みを入れて水が出るようにしましょう。
黒柴さん
胡蝶蘭が枯れる原因の多くは、植え込み材が湿っている時に水やりをすることによる水分過多です。
そこで、鉢内の乾きを知るために、植え込み材の1箇所に割り箸をさしておく方法もあります。箸の先が濡れている場合は、まだ水をあげるタイミングではないと判断でき、水のやりすぎを防げるでしょう。その際は、根を傷つけないために1箇所に決めて割り箸をさしましょう。
胡蝶蘭の水やりは、株がカラカラに乾ききってからおこなうのが理想です。
胡蝶蘭の水やりは霧吹きもおすすめ!3つの理由を解説
健康な胡蝶蘭を保つには、霧吹きで水を吹きかける「葉水(はみず)」をするのも効果的です。葉水とは、観葉植物の葉っぱに水を与える方法です。
胡蝶蘭は葉っぱの裏側から水分を吸収しやすく、葉水をすると葉ダニの予防になります。
胡蝶蘭の葉水がおすすめな理由は以下のとおりです。
- 寒さと乾燥が苦手だから
- 木の上に根を張るから
- 葉が養分を吸収しにくいから
それぞれ順番に解説していきます。
1. 寒さと乾燥が苦手だから
胡蝶蘭は寒さと乾燥に弱く、日本の生産地ではビニールハウスで栽培されています。
胡蝶蘭は熱帯雨林で自生する植物で、台湾やフィリピン、マレーシアなどが原産です。
得意な環境に合わせてあげることで、胡蝶蘭はトラブルなく育つでしょう。
2. 木の上に根を張るから
胡蝶蘭は、大きな木や岩などに根を張るのが自然の姿です。
空気中から水分を補給して生きるため、水苔やバーグに根が埋まっていなくても問題ありません。
蘭鉢の中には通気性と保湿性を確保する目的で、水苔やバークを入れて植え込みます。
黒柴さん
3. 葉が養分を吸収しにくいから
胡蝶蘭の葉は養分を吸収しにくく、光合成の際に気孔が開かないという特徴があります。
多湿な環境を好む胡蝶蘭は、水分を失うことを極端に嫌います。
胡蝶蘭の気孔は午前10時頃まで開くといわれており、午前中に葉水をすることで水分を吸収する力が強くなるでしょう。
胡蝶蘭の水やりにおける効果的な霧吹きの仕方
ここでは、胡蝶蘭の水やりにおける効果的な霧吹きの仕方について解説していきます。
湿度が50%を下回る場合や空気が乾燥している冬場は、霧吹きで胡蝶蘭の葉に水をかけるのもいいでしょう。
とはいえ、胡蝶蘭の霧吹きは絶対に必要な作業ではないため、丁寧に愛情を込めて育てたい人のみでかまいません。
胡蝶蘭の効果的な霧吹きの仕方は以下のとおりです。
- 葉の後ろから吹きかける
- 午前中におこなう
- 植え込み材にかからないようにする
1つずつ解説していきます。
1. 葉の後ろから吹きかける
胡蝶蘭の霧吹きは、お花に直接水がかからないようにするため、葉の後ろから吹きかけましょう。
お花の中央にあるめしべの中に水滴が入ると、ゴミの混入や、雑菌やカビの原因になります。
また、霧吹きは極めて細かい霧状でおこなうのが好ましいとされます。
2. 午前中に行う
胡蝶蘭の水やりや霧吹きはなるべく午前中におこない、その後は適度な日光に当てると良いでしょう。
夕方になり気温が低くなると、胡蝶蘭から水を吸い上げにくくなる性質があります。
霧吹きによってついた水滴が長く残らないためにも、午前中におこなうのが理想です。
黒柴さん
3. 植え込み材にかからないようにする
霧吹きのしすぎで、胡蝶蘭の植え込み材に水がつくのは避けましょう。
植え込み材が濡れていると、水やりのタイミングがわからなくなります。
あくまで、胡蝶蘭の葉だけに水をかけるようにしましょう。
胡蝶蘭の水やり頻度を季節ごとに解説
続いて、胡蝶蘭の水やり頻度に関して、季節ごとに解説していきます。
胡蝶蘭は、水を与えすぎても与えなさすぎても良くないといわれています。調整が難しいと感じるかもしれませんが、水やりのタイミングを確認するには、植え込み材が乾いているかを目安にすると間違いありません。
日本には四季があり、植え込み材が乾くタイミングがそれぞれ変わります。
四季による水やりの頻度について解説していきます。
- 春・秋は3週間に1回
- 夏は2〜3週間に1回
- 冬は6週間に1回
順番に見ていきましょう。
1. 春・秋は3週間に1回
胡蝶蘭にとって過ごしやすい春・秋は、3週間に1回あたりの頻度で水やりしましょう。
水の量の基準は200ml程度ですが、鉢の下から水が流れるまでおこない株にしっかり浸透させます。
季節の変わり目は、寒暖の差に気をつけて鉢の様子を見ていきます。
2. 夏は2〜3週間に1回
夏に胡蝶蘭の水やりを行う際は、2週間に1回程度の頻度が目安です。
夏の暑さで乾きが激しい場合は、500ml程度と多めの水が必要です。
梅雨入り後は過度な湿気を避けるため、温度の高いところに置きっぱなしにするのは避けましょう。
また、梅雨明け後は乾燥に注意し、クーラーや扇風機の風が直接かからないように注意します。
黒柴さん
3. 冬は6週間に1回
胡蝶蘭の冬は温度管理に注意し、水やりは6週間(1.5ヶ月)に 1回程度で問題ありません。
植え込み材が完全に乾いてからおこない、水温20〜35度程度のぬるま湯を与えます。
水温が低すぎると、胡蝶蘭の株が冷えて負担がかかるため注意しましょう。
胡蝶蘭の水やりで注意すべき5つのポイント!
長くお花を咲かせるためには、正しい水やりが欠かせません。
胡蝶蘭の水やりで、注意すべき5つのポイントは以下のとおりです。
- 植え込み材が完全に乾いたら
- 株元から与える
- 受け皿の水は捨てる
- タイミングは午前中に行う
- 冬はぬるま湯を与える
順番に見ていきましょう。
1. 植え込み材が完全に乾いたら
胡蝶蘭の水やりは、植え込み材である水苔、もしくはバークが完全に乾いた状態でおこないます。
まだ湿っているときに多量の水をあげてしまうと、株の根から吸収することができず、根腐れの原因になります。
鉢底の乾きを知るには、割り箸を根元に差し込んでおき、その都度濡れていないか確認する方法も良いでしょう。
2. 株元から与える
胡蝶蘭に水をやるときは、株元から全体に行き渡るように与えます。
チョロチョロと植え込み材の表面だけを濡らすのではなく、鉢の下から水が流れるくらいまで浸透させましょう。
胡蝶蘭ギフトの鉢は複数の株が寄せ植えになっているので、一株一株の根元にしっかり水をかけることを意識します。
黒柴さん
3. 受け皿の水は捨てる
胡蝶蘭の水やり後は、株の受け皿に溜まった水を必ず捨てましょう。
水が溜まったままになっていると、蒸れて多湿になりカビや雑菌の原因になります。
胡蝶蘭を健康に保つためには、不快な状態を作らないようにしましょう。
4. タイミングは午前中に行う
胡蝶蘭の水やりは、水揚げがしやすい午前中に行うのが理想です。
夕方以降は気温が低くなり、水の吸い上げが弱くなってしまいます。
できるかぎり午前中に水を与えて、その後は適度な日光に当てるとお花は喜ぶでしょう。
黒柴さん
5. 冬はぬるま湯を与える
胡蝶蘭の冬場の水やりは、水温20度前後のぬるま湯を与えます。
冷たすぎる水は、胡蝶蘭の株全体を冷やしてしまいダメージを与えてしまいます。
休眠期に入る冬場は、与える水の温度にも十分配慮が必要です。
胡蝶蘭の肥料を与える際に意識しておきた2つのこと
胡蝶蘭がより元気に育つために、肥料は必要なのか気になる人も多いでしょう。
肥料を与える際に気をつけたいポイントは以下の2つです。
- 基本的に不要
- 与えるなら5〜9月に
1つずつ見ていきましょう。
1. 基本的に不要
胡蝶蘭を育てる際は、基本的に肥料は不要です。
胡蝶蘭は、自然界ではほとんど肥料がない環境で自生しています。株が弱った状態で肥料を与えるとかえって負担になり、さらに根を痛めてしまう可能性もあります。
胡蝶蘭の肥料は成長を促すために少量施しますが、肥料が多いからよく育つわけではないと心得ておきましょう。
黒柴さん
2. 与えるなら5〜9月に
胡蝶蘭に肥料を施すなら、暖かい5月以降に新しい根が出てきたことを確認してからおこないます。
週に1回程度、液体肥料や栄養剤を与えるだけで十分です。
肥料を与えたあとは、元気がなくなることはないか注意深く見守ってあげてください。
胡蝶蘭の過度な水やり・肥料は根腐れの原因になる
胡蝶蘭が枯れる原因は、過度な水やりや肥料による根腐れであることが多いです。
鉢の中での高温多湿が株の健康を左右するといっても過言ではなく、胡蝶蘭の元気がないままほったらかしにしておくと、根腐れが進行していき株全体が枯れてしまうことも考えられます。
たとえ根腐れを起こしていた場合でも、早めに気づいて植え替えをすると回復してくれる場合もあります。
黒柴さん
胡蝶蘭を植え替える際の4つのサイン
胡蝶蘭が枯れないように、植え替えをして生育環境を整えてあげましょう。
胡蝶蘭の植え替えが必要と思われる、胡蝶蘭のサインは以下の4つです。
- 葉がしわしわになる
- 葉っぱが変色する
- 根にカビが生える
- 悪臭がする
順番に解説していきます。
1. 葉がしわしわになる
胡蝶蘭のよくある症状に、葉がしわしわ・くにゃくにゃになることがあります。
鉢の中で根腐れを起こすと、十分な水分や栄養を吸収することができないため葉の元気がなくなります。
根腐れの症状を知るには、葉の様子から注意深く観察してください。
2. 葉っぱが変色する
胡蝶蘭の根が腐った状態が続くと、葉の色が変化していきます。
しわしわの葉と同様、変色も十分な水分や栄養を吸収することができません。
劣化した葉は元に戻らないので、葉を摘み取り植え替えを検討しましょう。
黒柴さん
3. 根にカビが生える
根にカビが生えてしまった場合も、植え替えのタイミングです。
梅雨時や鉢の中の通気性が悪い場合は、茎や根に白い付着物・黒い斑点が見られる場合があります。
胡蝶蘭の株にカビが生えると病気の原因になるので、今すぐ対処が必要です。
健康な根が残っているうちに植え替えをして、カビが発生した部分を取り除きましょう。
4. 悪臭がする
胡蝶蘭の根腐れがすすむと、カビが生えたような異臭がします。
葉や茎が垂れ下がってくるなど、明らかに元気がなくなってくるでしょう。
胡蝶蘭の根が濡れすぎてしまうと、酵素が足りなくなり根が壊死して、息ができなくなってしまいます。
枯れてしまう前に、早急に植え替えを検討しましょう。
黒柴さん
胡蝶蘭の水やりが足りない症状は「葉に元気がない」
胡蝶蘭の水不足の症状で、わかりやすい特徴は葉に元気がないことです。
植物が光合成をするためには水が必要不可欠であり、水がないと葉の緑色が失われてしまいます。
見た目でわかりやすい葉の異常としては、以下の通りです。
- 葉の表面がシワがある
- ふにゃふにゃになり垂れ下がる
- 葉っぱが薄くなった気がする
- 黄色く変色する
夏は水分不足になりやすく、水をたっぷり与えていても気温が高いことですぐに蒸発してしまう場合があります。
真夏日が続く場合は、日陰に移動させたり快適な場所に移動させたり工夫が必要です。
黒柴さん
胡蝶蘭の水やりに関するよくある質問
胡蝶蘭の水やりについて迷いやすいポイントを紹介します。
胡蝶蘭の水やりをしすぎたときの対処法は?
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今しばらくは水を与えないように注意して、受け皿に溜まった水は早めに捨てましょう。植え込み材がカラカラに乾くまで、水やりは待つようにします。
胡蝶蘭の水やりを最小限にしたいです…
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胡蝶蘭の植え込み材をバークにして、プラスチック鉢に植えると湿度が高まるため、素焼き鉢より比較的水やり頻度が抑えられます。お世話があまりできない場合に、検討しましょう。
3本立ちの胡蝶蘭で1本だけが元気がないのはなぜ?
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胡蝶蘭の水やりの際に、鉢の中まで水が浸透していない可能性があります。水苔が邪魔して水を弾いていないか確認しながら、株元に水をかけて中まで浸透させることを意識しましょう。
胡蝶蘭が枯れるとどうなる?
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胡蝶蘭の根が黒くぶよぶよしている、悪臭がする場合は枯れている可能性が高いでしょう。残念ですが枯れてしまった胡蝶蘭は、お住まいの自治体の指示に従ってゴミを分別した上で処分しましょう。
胡蝶蘭の水やりは控えめが基本!
胡蝶蘭のお花を長く咲かせるためには、正しい水やり方法を知ることが重要です。
気候や置き場所によって水やりの頻度が変わりますが、植え込み材が乾ききってからおこなうのが鉄則です。
胡蝶蘭が枯れる原因は、水やりや肥料の与えすぎで根腐れを起こすことがほとんどと言えます。
胡蝶蘭は寿命が50年以上持つとも言われるお花です。水やりの方法はもちろん、胡蝶蘭の育て方をきちんと理解して正しくお手入れをすれば、長くお花を楽しめるはずですよ。