「胡蝶蘭の空中栽培ってどうやってするの? 」
「胡蝶蘭は植え込み材がなくてもちゃんと育つの? 」
「鉢植えと空中栽培のお手入れの違いを知りたい! 」
このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか。
胡蝶蘭には鉢植えのほかに、空中栽培という育て方があります。空中栽培は美しいものへの感性が高い方に好まれやすく、胡蝶蘭の可憐な花姿がお部屋の空間を彩り、インテリアとしても素敵です。
この記事では、以下の項目について解説します。
- 胡蝶蘭の空中栽培とは?
- 胡蝶蘭を空中栽培で育てるときのポイント
- 胡蝶蘭の空中栽培をするメリット
最後まで読んで頂くことで、胡蝶蘭の空中栽培に関する疑問が解決し、育て方の選択肢が広がるはずですよ。
目次
胡蝶蘭の空中栽培とは植え込み材料なしで育てること
胡蝶蘭の空中栽培は、天井から胡蝶蘭をそのまま吊るして育てる栽培方法のことを指します。
野性の胡蝶蘭は、地面に根を張るのではなく木や岩などに絡まって成長する着床植物です。胡蝶蘭の根は株全体を支えるためであり、栄養を吸収する役目ではなく土の外に出ているのが本来の姿です。空中栽培は、自生する胡蝶蘭の環境と同じ状態を作れます。
黒柴さん
一方で胡蝶蘭の鉢植えは、植え込み材に埋まっているので根腐れを起こしやすいのがデメリットです。
空中栽培は根腐れによるトラブルを防ぐだけでなく、胡蝶蘭らしい姿を再現した育て方といえるでしょう。
胡蝶蘭の空中栽培のやり方
胡蝶蘭の空中栽培のやり方について解説していきます。
空中栽培をするためには、胡蝶蘭の株にとってベストなタイミングで植え替えをする必要があります。胡蝶蘭の最適な植え替え期間は、3〜6月のお花が終わった後です。
空中栽培をするために、胡蝶蘭の株を植え替える方法は以下の通りです。
- 植え込み材料なしで育てる
- 毎日水やりをする
順番に解説していきます。
1. 植え込み材料なしで育てる
胡蝶蘭の空中栽培は、水苔やバークに埋め込のではなく、根っこを空気中に出したまま空間に吊るす方法を指します。
木や岩などの表面に張り付き根を伸ばす胡蝶蘭は、着床ランといい空中栽培に向いているといえるでしょう。
胡蝶蘭をお祝いなどでいただいた場合、鉢植えは植え込み材に埋まっています。植え替え時には健康な根だけを残して、根を完全に乾かしましょう。
胡蝶蘭のような着床植物は、根回りの乾燥に強いため空中栽培の環境が適しており、生命力豊かに育つ傾向があります。
黒柴さん
2. 毎日水やりをする
胡蝶蘭の空中栽培は、葉が乾燥しやすいため毎日もしくは1日置きの水やりが必須になります。
空中栽培での水やりの手順は以下の通りです。
- バケツに水を張り、胡蝶蘭の根をドボンとつける
- 10分くらいつけ置きしたら取り出し元に戻す
- 成長期にはメネデール液(植物活力素)を入れても良い
胡蝶蘭の空中栽培は、鉢植えの場合と異なり夕方に水やりをおこなうのが特徴です。
胡蝶蘭の葉は、昼間の間は気孔を閉じて水分を蒸発させない構造になっており、夜になると水分を取り入れます。そのため、水が吸収されやすい夕方からの水やりが好ましいといえるでしょう。
胡蝶蘭を空中栽培で育てるときの3つのポイント
胡蝶蘭を空中栽培で育てるときのポイントは以下の通りです。
- 吊り下げる場所を決める
- 水苔を取り除き根だけにする
- ヘゴ板・流木・コルク付けでも楽しめる
順番に解説していきます。
1. 吊り下げる場所を決める
胡蝶蘭を吊るす場所は、直射日光が当たらない風通しの良い場所が最も適しています。お部屋の気温は22度前後がベストで、湿度は60〜80%で保つようにしましょう。
胡蝶蘭を吊るす場所が決まれば、天井にフックを取り付けたうえでワイヤーを下げるなどして、紐をくくりつける準備をします。吊るした紐の長さは、お世話のしやすい高さに調節して不便のないようにしましょう。
胡蝶蘭の自生地のような熱帯気候に近づけるのは難しいですが、湿度が高めなキッチンの近くで管理するなど工夫が必要です。
2. 水苔を取り除き根だけにする
胡蝶蘭が植えられている鉢やポリポットから株を取り出し、水苔や不要な根などを取り除きます。
新しい水苔を少量からませ、軽く紐でくくり吊るした紐にぶら下げます。または、ペットボトルや透明容器に入れて、根を完全に見せた状態で飾っても素敵ですよ。
胡蝶蘭の空中栽培は、さまざまな自然素材と合わせて自由に飾ることができます。
黒柴さん
3. ヘゴ板・流木・コルク付けでも楽しめる
胡蝶蘭を吊り下げる方法は、定番のハンギング用バスケットだけでなく、最近ではヘゴ板・流木・コルク付けなどが人気です。こうした自然素材を使って個性的に楽しむことが、空中栽培の醍醐味といえるでしょう。
自由度が高いインテリアグリーンとして、工夫を凝らし楽しむ人が年々増えています。
胡蝶蘭を空中栽培で育てるときの水やり方法
胡蝶蘭の空中栽培はとても育てやすく簡単ですが、水やりや霧吹きの頻度が多くまめさが必要となります。
空中栽培で育てるときの水やりの方法は以下の通りです。
- 水やりは毎日夕方に1回
- 葉水は1日2〜4回
順番に解説していきます。
1. 水やりは毎日夕方に1回
空中栽培時の水やりはほぼ毎日する必要があり、水分を吸収しやすい夕方に行うのが重要です。
植え込み材がなく根っこがむきだしになっているので、乾燥を防ぐためこまめに水分を与えるのが必須といえるでしょう。
吊るしておいた胡蝶蘭の紐をほどき、水を張ったバケツに根を10〜20分浸します。 その後は元の状態に戻せば完了です。
吊り下げる場所の湿度により水やりの頻度は変化しますが、ほぼ毎日おこなうのが基本の回数といえます。
鉢植えの胡蝶蘭の水やり方法とは異なるのがポイントです。
黒柴さん
2. 葉水は1日2〜4回
胡蝶蘭の葉水は、1日に2〜4回定期的におこないます。葉の様子をみながら、表裏ともに霧吹きで水を吹きかけるようにしましょう。
胡蝶蘭の葉にシワが入る場合は、乾燥しているサインなので水やりや葉水の回数を見直します。健康な胡蝶蘭の葉はぷっくりとしており、みずみずしさを感じるのが普通です。
蓄えた水分が飛んでしまわないように、エアコンや扇風機の直風が当たらない場所に吊るすのも配慮の一つです。
乾燥しやすい冬場は、加湿器を使うなどして湿度を60〜80%に保つようにしましょう。
胡蝶蘭の空中栽培する際の注意点
胡蝶蘭の空中栽培は簡単ですが、鉢植えよりお手入れ頻度が多く必要なことから、お世話好きなマメな人が向いているといえます。
胡蝶蘭の空中栽培の主な注意点は以下の通りです。
- 夕方のお手入れが必要
- お手入れの頻度が多め
- 長期間自宅を空けない人向き
鉢植えで育てる胡蝶蘭の水やりは午前中におこなうのに対し、空中栽培は夕方以降に行います。
細かな作業が得意でお世話を楽しみながら愛着が持てる人は、ぜひチャレンジしてくださいね。
黒柴さん
胡蝶蘭の空中栽培をする3つのメリット
ここでは、胡蝶蘭の空中栽培を行うメリットについて解説していきます。
- 根がむきだしなので水やりが簡単
- 根腐れする心配がない
- 工夫を凝らしたインテリアとして楽しめる
順番に解説していきます。
1. 根がむきだしなので水やりが簡単
胡蝶蘭の空中栽培は、根っこが目視で観察できるため、健康状態のチェックがしやすくなります。
水や霧吹きのタイミングがわかりやすく、根腐れなどのトラブルにも気づきやすいでしょう。
また、根っこをオブジェとして楽しむ人も多く、植物の独特な世界観をお部屋で味わうことができます。
胡蝶蘭の命ともいえる根の乾き具合が一目でわかることは、株を枯らさない意味で大きなメリットです。
2. 根腐れする心配がない
空中栽培は、植え込み材がないため胡蝶蘭の株が根腐れする心配がありません。
胡蝶蘭が枯れてしまう一番の原因は、水のやりすぎによる根腐れです。根腐れの心配がない代わりに、乾燥しすぎる心配があるので、水やりが十分か常に確認するようにしましょう。
せっかく胡蝶蘭をいただいても、根腐れによって枯らしてしまうことが多い人は空中栽培を検討すると良いかもしれません。
黒柴さん
3. 工夫を凝らしたインテリアとして楽しめる
胡蝶蘭を空中栽培することで、工夫を凝らしたインテリアとして楽しめます。
胡蝶蘭を空間に飾ることで、インテリアグリーンがおしゃれに映えるためよりお部屋を美しく彩ります。
着床ラン本来の特性にあった空中栽培は、原産国で自然に生きているように育てられるので、お部屋の中で違った空間をつくりだしてくれることでしょう。
胡蝶蘭の空中栽培に関するよくある質問
胡蝶蘭の空中栽培に関する質問をまとめました。
胡蝶蘭を吊るすとインテリアになる?
-
胡蝶蘭を吊るすことにより、インテリアとしておしゃれな空間を演出できます。鉢植えを置く場所がなくなり、床がすっきりとする利点もあるでしょう。
胡蝶蘭の苦衷栽培をしている時に水やりができない日がある時はどうすればいいの?
-
旅行や急用で家を空けるなど水やりができない場合は、胡蝶蘭の根を1cm程の水の中に浸しておくのも手です。次回に水やりをする際は、根がしっかり乾いてから行うようにすると良いですよ。胡蝶蘭の空中栽培は、留守がちな家庭には難易度が高い育て方と言えるかもしれませんね。
注意点を押さえたうえで胡蝶蘭の空中栽培に取り組もう!
胡蝶蘭の空中栽培は、天井からそのまま吊るして育てるやり方であり、鉢植えとはまた違った良さのある栽培方法です。
胡蝶蘭は丈夫で初心者でも育てやすいのが特徴ですが、水やりのタイミングがつかめないという方もいることでしょう。水やりや根腐れの悩みを解決できるのが、胡蝶蘭の空中栽培と言っても過言ではありません。
空中栽培は植え込み材を使わず、根っこをむきだしにして飾るため、水やりのタイミングが目視でわかりやすいのがメリットです。
胡蝶蘭の育て方は、鉢植えだけではありません。お部屋の空間に、おしゃれなインテリアグリーンの胡蝶蘭を飾ってみてはいかがでしょうか。