母の日の贈り物の定番となっているカーネーション。
「母の日に鉢植えをプレゼントで頂いたものの、夏を越せずにそのまま枯らしてしまった…」という経験がある方も、もしかしたらいるのではないでしょうか。
「花が枯れてしまったらカーネーションはもう終わり」と思う方も多いのですが、実はカーネーションは多年草。
鉢植えのカーネーションは、しっかりお手入れをすることで夏越しも冬越しもでき、毎年花を咲かせてくれます。
しかしながら、カーネーションは高温多湿には非常に弱い植物。特に真夏の時期は気温が上がり生育に悪影響を与える可能性があるため、夏には夏の時期に合わせたお手入れが必要です。
今回は、そんなカーネーションが夏を越すための準備や管理方法についてご紹介します。
- カーネーションの夏越し方法を知りたい方
- カーネーションの夏の間の管理方法や注意点を知りたい方
- カーネーションについて調べている方
目次
カーネーションを夏越しする際のポイント
カーネーションは、夏の暑さと湿度にとても弱い植物です。夏の間は、できるだけ直射日光の当たらない日陰に置くようにしましょう。
カーネーションは日光を好む植物であるため、成長期は日光が当たる場所に置くのが良いとされています。
しかし、夏の強い西日や湿気には非常に弱く、気温30度を越すと生育が悪くなってしまうのです。真夏の陽射しはカーネーションにとっては強すぎるため、できるだけ直射日光を避けた場所に鉢を置くようにします。
また、多湿を避けるために、風通しの良い涼しい置き場所を選ぶことも大事です。
夏にカーネーションを管理する際の置き場所
それでは、夏はカーネーションをどのような場所で管理すればよいのかを具体的に解説します。
1. 外で夏を越す場合
カーネーションを外で夏越しさせる場合は、直射日光や雨が当たらない涼しい日陰に置きます。
風通しのよくない場所に置いてしまうと、多湿によりカーネーションに悪影響を及ぼすおそれもあるため注意が必要です。
気温の上がる日中はできるだけ室内に移動しておくのが良いのですが、移動することができずに外で夏を越す場合は、できるだけ涼しい日陰に置くようにしてください。
すのこなどで嵩上げをし鉢を地面から少し離しておくのも、熱気が逃げるので効果的です。
また、気温25度を越すと花つきが悪くなるため、夏の時期のカーネーションはあまり花が咲かないのが一般的です。
黒柴さん
2. 室内で夏を越す場合
基本的には外で夏を越す場合と同じように、室内でも直射日光が当たる場所を避け、日陰の涼しい場所に置くようにします。
真夏の時期は室内もとても暑くなるため、室温が上がりすぎないように調整することも大事です。
気温が低めの朝方には外に出し、気温が上がるお昼前には室内に移動してあげるなど、時間帯や気温によって置き場所を変えてあげるとより良いです。
カーネーションの夏の管理方法
次に、置き場所以外についてのカーネーションの夏の管理方法をご紹介します。
1. 水の与え方
カーネーションの夏場の水の与え方には、実は少しポイントがあります。
気温の上がる日中に水を与えると、鉢の中の気温までも上がってしまい、高温多湿の原因となります。夏場に水を与える場合は、気温がまだ上がり切らない早朝もしくは夕方に与えるようにしましょう。
また、水の与えすぎも枯れる原因となるため注意が必要です。
土を触ってみて「乾いてきたな」と感じた時に、たっぷり与えるようにしてください。この時、花やつぼみに当たらないよう、株の部分に直接かけるようにすることも重要です。
黒柴さん
2. 肥料の与え方
夏場のカーネーションは生育が弱まっているため、基本的に肥料は与えません。春や秋などの成長期は肥料がきれないように与えるのが一般的ですが、夏は肥料を与えず、株を休ませる時期だといわれています。
真夏と冬の時期には肥料は特に必要ありませんので、覚えておいてくださいね。
3. 病害虫の対処法
カーネーションを育てる上で特に注意したい病害虫は、アブラムシやハダニです。特にアブラムシはどの植物にも寄生しますが、葉の養分を吸い取り株を弱らせる原因となる病害虫です。
日光の当たりにくい多湿な場所に置いておくと増殖しやすいため、夏場は注意が必要です。
アブラムシは、見つけ次第こまめに殺虫剤で駆除するようにしてくださいね。
>>カーネーションうどんこ病とは?発症時期や原因・治療法をご紹介
カーネーションを夏に枯らさないためにできる3つのこと
最後に、カーネーションを夏の間枯らさないようにするために準備しておくことについて解説します。
1. 切り戻し
本格的な夏がくる前に、花が咲き終わったカーネーションの株は短く切り揃えましょう。これを「切り戻し」といいます。
これから成長しそうなもののみを残し切り戻しを行い、株を休ませてあげます。また、切り戻しを行うことで鉢の風通しが良くなり、高温多湿を防ぐことができます。
この切り戻しを行うことで、必要な部分に栄養が行き渡り、カーネーションが翌年も花を咲かせる可能性が高くなります。間違って新しいつぼみを切ってしまわないようにだけ、気をつけてくださいね。
2. 花摘み
咲き終わった花がある場合は、躊躇せず思い切って摘み取りましょう。色が変わってしまった花をそのまま放置していると、元気なカーネーションまで「灰色かび病」などの病気になってしまうことがあるためです。
また、見た目は小さなつぼみに見えるものであっても、中身が空っぽである場合があります。そのようなつぼみは、残念ながら花を咲かせることはありません。
他の新しいつぼみにしっかりと栄養が行き渡るよう、つぼみを摘んでみて中身が空っぽだと感じたら、思い切って切り取ってしまいましょう。
3. 植え替え
夏がくる前に切り戻しや花摘みを行ったあとは、植え替えも同時に行うようにしましょう。
根詰まりを防ぐためにも、カーネーションは年に1〜2回ほど植え替えを行うのが良いとされています。植え替えの際はひとまわり大きな鉢に植え替え、土も水はけの良いものに変えてあげるとより良いです。
このように、本格的な夏がくる前に植え替えをしておくことで、カーネーションは夏を越し、また花を咲かせてくれる可能性が高くなります。
植え替えを行ったあとは、根元にたっぷりと水を与えるのを忘れないでくださいね。
しっかり夏越ししてカーネーションを長く楽しもう!
カーネーションが夏越しするために、夏前に準備しておくこと、夏の間の管理方法をご紹介しました。
「夏の暑さで枯れてしまうのではないか」と不安になるかもしれませんが、しっかりお手入れをすることで、カーネーションは夏を越し、翌年もまた花を咲かせてくれます。
切り戻しや花摘み、植え替えなどを確実に行い、夏の間の高温多湿に注意することで長く楽しめる植物です。夏越しのポイントをおさえ、より長くカーネーションを楽しんでくださいね。