カーネーションを育てていて、ふと花を見ると「花びらが白くなっている」「葉に白い粉のようなものがついている」といった経験や「なに?これ・・・」と思った事はありませんか?
この白い粉のような正体は「カーネーションうどんこ病」と言われるカーネーションに発生する感染系のカビです。
カーネーションは、庭植えや鉢植えでも育てることの出来る花ですが、育てる環境や時期によって、うどんこ病やその他の病気にもかかってしまう場合もあります。
今回は、カビの一種とされる「カーネーションうどんこ病」の発生時期や原因、うどんこ病の対処法をご紹介します。
- カーネーションうどんこ病について知りたい方
- カーネーションうどんこ病の対処法を調べている方
- カーネーションについて調べている方
目次
葉や花びらが白くなる?カーネーションうどんこ病とは
カーネーションうどんこ病は、花びらが白くなったり、葉に白い粉が付着したりする状態のことです。
名前の通り、うどんの粉をまぶしたように見える事から「うどんこ病」という病名になったとされています。
最初に日本で発生が確認されたのは1999年5月に高知県土佐市で確認されており、まだ名称すら無かったことから2002年9月に「カーネーションうどんこ病」と新名称が登録されました。
パッと見た感じ、少し白い粉が付着している程度で、気になる人も少ないかも知れません。
ですが、放っておくと菌が繁殖して次々と広がっていくので、放っておくことは避けたい病気の1つです。
カーネーションうどんこ病の原因
カーネーションうどんこ病は、どのようにして発生するのでしょうか?発生する原因としては、育てる環境や気温、時期が関係してきます。
ここからは、うどんこ病が発生する原因、発生しやすい時期を以下で詳しく解説していきます。
1. カーネーションうどんこ病の発生原因
カーネーションうどんこ病が発生する原因は、糸状菌(しじょうきん)と言われるカビです。
このカビが繁殖する事によって広がっていくので、繁殖を食い止める必要があります。カビが発生すると風に吹かれて空気感染として、周囲へ広がっていくので、周りに飛沫させない事が重要です。
糸状菌は菌類の体を構成する糸状の菌のことで、植物以外に人間や動物にもかかる菌として有名なカビの1つ。
土壌の中には10万種類以上も存在すると言われており最も多い菌とされています。食用の菌にも、この糸状菌は存在しており、皆さんもよく知っている「きのこ」も糸状菌の1つです。
この糸状菌の繁殖を防ぐこと、感染しない菌との付き合い方がポイントとなっていきます。
黒柴さん
2. カーネーションうどんこ病が発生しやすい時期
カーネーションうどんこ病が発生しやすい時期は春、秋などの涼しい時期です。この時期になると、白い粉も飛散しやすい状況になるので乾燥には気を付けましょう。
暑くなってくると一旦、増殖は治まりますが、寒い時期になってくると再発してしまうので、育てる場所や環境、温度には十分注意が必要です。
春や秋ごろには葉や、花びらが白くなっていないかどうか、観察して注意しましょう。カーネーションを育てる適温としては15~20℃くらいの環境とされています。
カーネーションうどんこ病を発見したら
カーネーションうどんこ病と思う部分を発見したら、まずは感染した葉や花びらの白くなった部分は取り除き、株間の通気を良くすることが大切です。
カーネーションうどんこ病は、下部にある古い葉から発生します。そして、徐々に上部にある若い葉や花びら、がくへと感染が広がっていくのが特徴です。
まず、感染していないか気になった場合は、下部から順に確認していきましょう。
うどんこ病の菌が広がるのを食い止めるには、段階を踏んで対処する方法もあるので、順に解説していきます。
1. 感染した葉を切って様子観察
初期段階として、葉や花びらの白くなった部分の範囲が小規模で見られた場合は、白くなった部分だけを切って、様子を見てみる方法です。
切り落とした部分は、その場ですぐにカーネーションから離して下さい。別の場所へ移動させ、菌が飛ばないように処分することがポイントです。
2. 薬品を使わず治療
うどんこ病が発生したからといって、すぐに薬品を使うには抵抗がある方も居るかも知れません。
まだ軽度であれば、お酢や重曹を水で溶かした自作のスプレーで対処する方法もあります。
【お酢の場合】
お酢を約20倍に水で薄めたもの(例:水500mlにお酢25ml)をスプレー容器に入れて、カーネーションに吹きかけます。食酢でも代用できるので、すぐに出来る対処法です。
【重曹の場合】
重曹を約1,000倍に水で薄めたもの(例:水500mlに重曹0.5g)をスプレー容器に入れて吹きかけます。
重曹は人体にも無害とされており、料理や掃除などにも使えて地球にも優しい優れものですが、重曹の濃度が高いとカーネーションに負担がかかる恐れもあるので配分には注意しましょう。
黒柴さん
3. 薬品を使った治療方法
広範囲でうどんこ病になっている場合は、薬品を使うと効果的です。うどんこ病専用の薬剤も市販されているので、使ってみるのも良いでしょう。
薬品を使う場合に注意しておきたいのは、葉の養分が吸収される場合もあるので、その部分だけ灰色っぽく色が抜けたようになってしまいます。
使用方法を確認して、その薬品が適しているか判断しましょう。
カーネーションをカビや害虫から守ろう
カーネーションはうどんこ病以外にも、かかってしまう病気や、近寄ってくる虫もいます。
まず、病気などにかからないように事前の対策も必要です。その対策方法と、他に考えられる代表的なカーネーションの病気、害虫と呼ばれる虫をご紹介します。
1. 予防方法
まずは、カビへの対策や病気にならないための予防が必要です。
以下の対策を心掛けて、カーネーションへの感染対策に努めましょう。
- 間隔を空けて植え過ぎないようにする
- 適度な水をあげて乾燥しないようにする
- 強い西日やジメジメした環境を避ける
- 根元をシート等で覆い、水や雨などの跳ね返りを防止する
- 明らかに病気だと思われる場合は株ごと取り除く
- 真夏は高温多湿に耐える時期なので肥料はあげないようにする
このような対策を日頃から心掛けておくことで、カーネーションにとって元気に育ちやすい環境、病気になりにくい環境を保つことができます。
育てるための環境や時期が、うどんこ病、その他の病気から守る重要なポイントです。
>>カーネーションの元気がない?回復させるための3つの方法とは?
2. かかりやすい病気
カーネーションはうどんこ病以外にも、かかりやすい病気があります。
- 灰色カビ病
- モザイク病
- 斑点病
上記のようなカビやウイルス系の病気に、なりやすいとされています。
葉が灰色になったり、花びらなどに白い斑点や、茶褐色のモザイク模様が見られた場合には、その部分を取り除いたり、薬を用いたりして対処しましょう。
その他にも、根本付近の茎が腐敗する「立枯病」と言われる土壌感染病もあります。
黒柴さん
3. つきやすい害虫
カーネーションにつきやすいとされている害虫は、下記が挙げられます。
- ワタアブラムシ
- カブラヤガ
- ハスモンヨトウ
- クロウリハムシ
葉の裏や茎に細かな虫がついていたり、葉を食い散らす虫が這っていたりするので、それぞれに適した害虫専用の殺虫剤を使用してカーネーションを守りましょう。
カーネーションがうどんこ病になったら早めの対処を!
カーネーションうどんこ病にならないためにも、通気性を良くして十分に換気し、菌の発生しない環境作りが大切です。
一度かかってしまうと、空気感染で広がってしまいます。その飛沫を完全にシャットアウトするのが重要です。
大切なカーネーションを日頃から観察して、葉に白い粉が付いていないか、花びらやがくが白くなっていないか、確認することが大切です。
プレゼントとしても大変喜ばれるカーネーション。見ているだけでも気分が高まる素敵な花の1つです。栽培して販売する場合には、商品への価値にも影響してしまいます。
うどんこ病や、その他の病気、害虫からの被害に合わないように、早めの対処を心掛けて楽しくカーネーションを育てましょう。